海外生活の記録

カナダ・バンクーバー、アメリカ・シアトル、ノルウェー・ベルゲンと移住してきた生活の記録

ノルウェーの滞在許可の申請から住民カード受け取りまで (1)

さて、ノルウェーに長期で滞在しようとすると、滞在許可(Residence Permit)を取得しなければなりません。
以下は、私が経験したことをもとにノルウェーで既に仕事が内定している労働者(研究者)のケースを書いています。

ビザ(Visa)と混同しやすいのですが、日本人の場合にはノルウェーに入るためのビザは免除されているので、観光など3ヶ月(90日)未満の短期の滞在にはビザや許可は必要ありません。3ヶ月以上滞在して、学校に行く場合や仕事をする場合には滞在許可が必要になります。

どういうタイプの滞在許可か?

滞在許可は、大きく分けて学生、家族、労働者(自分からのファンド、駐在、ノルウェーでの雇用)などがあると思います。

滞在許可を自分で申請する場合は、日本人ならほとんどの場合は学生か、労働者(worker)になると思います。すでにノルウェーで雇用先が決まっている場合は、雇用者が代わりに申請してくれるケースもあるみたいですが、私の場合は自分の雇用者からは「早めに申請してね」という旨のメールを受け取ったのみだったので、自分で申請するものだと思って自分でやりました。

オンラインでの申請

滞在許可の申請は、UDI(ノルウェーの入国管理局)のウェブページから申請します。
私の場合は、Work Immigration -> Skilled Worker -> Skilled Worker with an employer in Norwayという順にクリックして申請しました。

まずは、オンラインのフォームに必要事項を記入します。
記入が完了したら、申請料を支払います。私のケースでは5400NOKだったので、当時で7万円ぐらい・・・けっこう高い。

支払いが完了したらどこに書類を提出するかを決めます。ノルウェーに既にいるのでない限り、日本で提出すると思いますが、その場合は東京の在日本ノルウェー大使館しか選択肢がないかと思います。

大使館に提出する書類のチェックリスト

オンラインでの手続きが完了すると、以下のような画面になると思います。そして、大使館に提出するカバーレターと、チェックリストなるものが表示できるようになります。このリストにある書類を揃えて、大使館に提出します。

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私のケースでは、提出に必要だったものは以下の通り

パスポートと、パスポートの使用した(判の押された)ページすべてのコピー

文字通り、使用した全てのページです。「え、マジで?判子押してるページ全部コピーすんの?」と半信半疑ながら一応コピーして行きましたが、本当に全部チェックしていました。パスポートの原本も当日必要です!コピーが本物であるかどうかをその場で審査官がチェックして、「本物です」という判子を押してくれるので、原本は当日返してもらえますが、見せるために持っていく必要があります。

カバーレター (このページに表示されている)。※要サイン

上の画像にも載っていますが、"Print Cover Letter"というボタンからダウンロードできます。

印刷して、自筆で日付・場所(都市)・名前のサインが必要です。

パスポート用の顔写真。白背景!

パスポート用の顔写真ですが、白背景という指定です。私は、スピード写真機で、背景の色が選べる機械で間に合わせました。
普通にパスポート用写真を取ると青になっちゃうケースがあると思うので、パスポート申請したときのあまりを使おうと思ってる方などは注意が必要です。

ノルウェーに住むところがあることの証明

なんじゃこれ?と思った項目です。笑
そもそもノルウェーに入ってすらいないのに、住むところなんかねーよ!と。
説明文を読むと、もし決まってないならどうやって住む場所を探すのか別紙に書いてね、とのこと。
仕方ないので、ノルウェー人の友達に協力してもらいながらfinn.noというサイトなどで、すでに賃貸アパート物件を探し始めてます。って言う旨を英語で1パラグラフほど書きました。結果的にはこれでオッケーだったみたいです。

仕事のオファーについてのUDIフォーム

ノルウェー雇用先に記入してもらって提出するフォームです。
これ、私はちゃんと読んでなくて自分で記入したら、注意されて後から送ることになっちゃったので、気をつけてください。笑
仕事の内容や契約期間、給与などが記載されます。

収入の内容が証明されている書類

上のフォームに加えて、給与がいくらなのか記載されている書類のコピーを提出する必要があります。
私は雇用契約書のコピーを提出しました。

教育についての書類

卒業証書など、学位を証明する書類が必要でした。
私は博士号(Ph.D.)を取得しましたが、公的にはまだ書類が届いていない状態だったので、修士号の学位記と博士候補 (Candidate)の証明のコピーと原本を持っていきました。こちらも「本物です」の判子をもらうために原本を持っていきました。

まだ在学中だったりする場合は、それらを示す書類(在学証明や、成績表など)が必要になるみたいです。

職務経験に関する書類

過去に従事していた仕事に関して、年数や内容に関する書類が必要らしいですが、私は特に当てはまる職務経験がないので提出していません。

Skilled workerであるために職務経験が必須となってる仕事に従事する場合は必要になるようです。

履歴書(CV)

履歴書を添付する必要があります。CVはCurricurum Vitaeの略ですが、決まった形式はありません。
Skilled Workerに当たる人は既に持っていると思いますが、持っていない場合は、ネットで適当にテンプレートをダウンロードして書くとよいかと思います。

チェックリスト

チェックリスト自体も印刷してサインする必要があります。


大使館での申請

書類が揃ったら、大使館に書類を提出します。
ノルウェー大使館は東京の広尾にあります。
基本的には自分で持っていって面接しながら提出することになるので、地方の人は大変です。
私は東京に用事があるのに合わせて行ったので、提出が少しギリギリになりました。(そのためノルウェーに行ってから少し苦労することになるのですが。)

大使館での提出ですが、事前にメールか電話での予約が必要です。
私は希望する日時を記してメールしましたが、その日のうちに連絡が返ってきて、アポイントメントが取れました。
英語でメールしましたが、当然日本の大使館なので、日本人の方が対応してくださいました。日本語でも大丈夫だと思います。

もし関西に住んでいるならば、神戸にあるノルウェー領事館から郵送することも可能なようです。これについては、茄子さんのブログ記事に詳しく書かれています。当時きちんと調べなかったので知らなかったのですが、私は関西出身で申請前後は関西の実家にいたので、知っていればもっと早く提出できたのに・・・・。でも、パスポートなどの原本も郵送しないといけないので注意が必要です。私は申請してすぐにアメリカに出かける用事があったので、パスポートは手元に必要でした。


アメリカの領事館や、アメリカの日本の領事館しか行ったことがなかったので、ビルの中にある事務所的なイメージだったのですが、ノルウェー大使館は高級住宅街にあるお屋敷という感じでした。向かいにはスイスの大使館があります。

インターホンを押して名前とアポの時間・内容を告げると中へ通してくれます。
事務所の窓口の中にいる女性に話しかけると、向かい側にある部屋の中で待機するように言われます。
ガラス張りの窓口がある部屋に通されて5分ほど待つと、ノルウェー人の男性が窓の向こう側に現れて、面接が始まります。
面接と行っても、書類に書いてある内容の確認程度で難しい質問はありません。それぞれ原本とコピーを確認しながら「本物です」判子を押して行ってくれます。

全ての確認が終わったら、提出後4週間程度で連絡が行くと告げられました。
ただ、私の場合は前述の通りUDIフォームを雇用先に書いてもらわないといけないことがわかったので、そのフォームを受け取ったら大使館宛にメールするように言われました。2週間以内にメールしないと、自動的にフォーム無しで滞在許可の申請になってしまうので、落とされる可能性があるので気をつけて、と言われました。

でも、書類不備なのに申請受けてくれるノルウェーの柔軟性に感謝です。普通に出直しを覚悟してたので、本当に救われました。これがアメリカのビザ申請とかだったら絶対無理だと思います。

すぐに雇用先にメールして、フォームを記入してもらえたのでメールして、事なきを得ました。面接をしたのが7月9日で、メールした後、受理しましたよ、というメールが帰ってきたのが7月12日でした。

遅延のメール

ノルウェーへの到着予定が8月9日だったので、4週間ってめちゃくちゃギリギリだな〜と思いながらUDIからの滞在許可のメールを今か今かと待って7月後半を過ごしていたのですが、申請から3週間ぐらい(7月31日)経ってUDIからのメールが来ました。お、早い!と思って開けてみたら、

『申請時に4週間で返事すると言ったな。あれは嘘だ。』(意訳)

Dear applicant

Your application for a residence permit is waiting to be processed.

When you submitted your application, you were informed about how long you have to wait. This may have changed. You will find up-to-date information about waiting times for this type of case at www.udi.no/waitingtimes.

Unless you have new information which is important for your application, we kindly ask you not to contact us but to wait for our decision.

というメールが。リンク先に飛んでみて確認すると、6週間待ちになっとる・・・。ということはどう転んでも、ノルウェー入りする前には滞在許可を受け取れない。前述の通り、ありがたいことに日本国民ならばノルウェーはビザなしで入国できるので、ノルウェー入りしてから滞在許可を待つことに。

ようやく滞在許可が降りる

8月17日にようやくメールが来て、滞在許可が降りました!6週間弱ですね。

この後、住民登録カードの申請を行うのですが、長いので別の記事に分けました。